ようこそ、新顔野菜の部屋へ
vol.2 ロマネスコ<Romanesco>
vol.2 ロマネスコ<Romanesco>
一見するとブロッコリーみたいな野菜であり、カリフラワーみたいな野菜でもある、ロマネスコ。みなさんは、食べたことはありますか? サザエ型のカリフラワーと位置付けられていて、同じように食べることができるんです。
見る人の心を奪うこの美しい形は、「フラクタル(自己相似性)」と呼ばれる幾何学構造。自然が創り出したアートであり、世界一美しい野菜ともいわれます。一方で、なんともいえない不思議なフォルムもあって、悪魔の野菜とも呼ばれているとか。
今回は、ロマネスコの魅力と、そのおいしさを活かすために知っておきたい3つのコツをご紹介します。
ビタミンCや食物繊維、カリウムなど、女性にうれしい栄養素がたっぷり!
日本ではまだまだ馴染みのないロマネスコですが、イタリアをはじめヨーロッパではポピュラーな野菜。ブロッコリーとカリフラワーの掛け合わせで生まれたともいわれていますが、実はロマネスコの方が歴史は古く、カリフラワーの原型という説もあります。最大の特徴であるフラクタル構造はカリフラワーにも見られることから、分類上はカリフラワーの1種と位置づけられています。
カリフラワーのコリコリとした食感と、ブロッコリーの甘みや香りがどちらも楽しめる、まさにおいしいとこ取りなのが、ロマネスコなのです。
ビタミンCがレモン果汁の1.6倍※、食物繊維がキャベツの1.6倍※も含まれるほか、むくみの解消にも効果が期待できるカリウムも豊富なところが、美しく健康に過ごしたい人にはうれしいところです。
※出展:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
旬をおいしく味わうための、知っておきたい3つのポイント
<ポイントその1>
生でもおいしい!?新鮮なものはそのまま食すべし
ロマネスコは、ブロッコリーやカリフラワーと同じように、加熱するのが一般的。でも、鮮度のよいものは、生のままでも食べることができるのです。美しい見た目をいかして、そのままサラダに入れたり、ピクルスにするのがおすすめです。クセがなくコリコリとした食感に心躍ることでしょう。11月頃から国産のロマネスコが出回りはじめるので、まずは生でその食感を楽しんでみてください。
《新鮮なロマネスコの見分け方》
手に持った時にずっしりしていて、花蕾が詰まって突起がしっかり盛り上がっているもの。さらに、鮮やかな黄緑色のものを選びましょう。
<ポイントその2>
大事な栄養を逃しにくくするには、短時間&少量の水で
ロマネスコに含まれる豊富なビタミンCやカリウムは、熱に弱く水に溶ける性質があります。そのため、短時間&少量の水で加熱することがポイント。
おすすめの加熱方法は、フライパン蒸し。小房に切り分けたロマネスコをサッと水洗いし、フライパンに並べたら、スプーン2~3杯の水を加えて塩をひとつまみ。蓋をして、中火で2分程加熱すればOKです。お湯を沸かす手間もないので、とても手軽な方法です。
ロマネスコの
アーリオ・オーリオの作り方
【材料】
ロマネスコ…1株、ベーコン…50g、オリーブオイル…大さじ1、にんにく…1片、鷹の爪…1本、粉チーズ…適量、ブラックペッパー…適量
【作り方】
①フライパンにオリーブオイル、みじん切りにしたにんにく、種を取った鷹の爪を入れて中火にかける。
②香りが出てきたら、拍子切りにしたベーコンを加えて、焼き色がつくまで炒める。
③下茹でしたロマネスコを加えて、サッと炒め合わせる。
④お皿に盛り、お好みで粉チーズ、ブラックペッパーを振る。
【作り方のポイント】
にんにくはスライスや包丁でつぶすだけでもOK。鷹の爪は輪切りでもいいでしょう。ベーコンは厚切りのものがおすすめ。茹でたパスタを加えたり、ピザ用チーズをかけてトースターで焼いたりとアレンジしてもおいしいです。
<ポイントその3>
茎の方が甘い!?皮をむいて茎もいただこう
太くてしっかりした茎の部分、ゴツゴツしているので硬くて食べられなさそうと思われるかもしれません。茎も外側の固い皮を厚めにむいて、下茹ですれば食べることができます。房の部分よりも甘みが詰まっていて、実はとてもおいしいんです。
新鮮なロマネスコの房は生でもコリコリと食べることができますが、茎は少し硬さが残るので、加熱するのがおすすめです。
ブロッコリーやカリフラワーも同様で、茎にも栄養はしっかりあるので、捨ててしまわずにおいしくいただきましょう。
特別な日の彩りにも最適!見た目も食感も魅力的なロマネスコ
オブジェのようなその美しさは、いつまでも眺めていることができそうなほど。それでいてどこか、小悪魔のような雰囲気もあり、スーパーで見かけると気になる存在でもあります。
あまり馴染みがなく、食べ方が分からなかったという方は、まずはいつものブロッコリーやカリフラワーをロマネスコに置き換えてみるだけでもよいかもしれません。いつもとちょっと違った食感が楽しめますよ。
これからのパーティーシーズンにもぴったりの、おしゃれな一皿をお楽しみください。
イラスト/中川美香
WRITER
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は1歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。
「まんぷくベジでは、野菜や果物のすばらしさをたくさんの方に知ってもらうため、おいしく食べて、キレイで健康に過ごすための情報を発信していきます!」