〜「まんぷくベジ」がオススメする本〜
野菜を美味しく食べたい人へ、シェフや料理研究家、農業などに関わる専門家と出版社が丹精込めて作った新刊書籍をご紹介するシリーズです。
素敵な一冊が、私たちに幸せな食を導いてくれますように……。
著/文/写真 鈴木純
発行 雷鳥社
書店発売日 2021年6月22日
定価 2,400円+税
▪️出版社より
植物観察家・鈴木純が、今度は野菜にずんずん近づく!
ふだん食卓でなにげなく食べている野菜。わたしたちが目にしている野菜の姿は、どれも命の途中のほんのひとコマ。種から種へ、人間に食べられることなく命を全うしていく野菜の姿に驚愕!野菜を「食べ物」ではなく「生き物」として観察した6年間の記録を、マンガのようなコマ割りで楽しめます。
『そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい』の著者の二作目です。
▪️目次
第一章 種を食べるお野菜
第二章 実を食べるお野菜
第三章 葉っぱを食べるお野菜
第四章 茎・花を食べるお野菜
第五章 地下部分を食べるお野菜
鈴木家の庭
野菜プレートを食べる
コラム
おわり
▪︎著者プロフィール
鈴木純 (スズキジュン) (著/文 | 写真)
植物観察家。1986年、東京生まれ。東京農業大学で造園学を学んだのち、青年海外協力隊に参加。中国で2年間砂漠緑化活動に従事する。帰国後、仕事と趣味を通じて日本各地に残る自然を訪ね歩き、2018年にフリーの植物ガイドとして独立。主に街中を舞台にした植物観察会を多く開催している。現在は、保育や教育の現場に赴くことが多く、雑誌・新聞・テレビ番組の製作協力なども行う。著書に『そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい』(雷鳥社)
▪️「まんぷくベジ」スタッフも読みました。
このコーナーではレシピ本を中心に紹介することが多い中、今回は違った観点から野菜と向き合っている本を発見したので紹介させていただきました。
まずは表紙!
全部広げると、A3サイズくらいの大きさで、本書に登場する種・種芋・地下茎・苗の実物大写真や、著者の鈴木純さんが撮影した写真がずらりと並ぶ、とても素敵なポスターになっていました。
ページをめくってみると、わかりやすい写真に吹き出しでコメントが書かれているため、漫画のように読み進めることができます。
吹き出しのコメントも、鈴木さんの口調で書かれているようなニュアンスなので、本を通して鈴木さんに色々教えてもらっている感覚になりました。
野菜をイメージする時、きっとスーパーや八百屋で並んでいる状態を連想すると思います。
ですが、『種から種へ 命つながる野菜の一生』を読み終わった後、私たちがイメージする野菜は、野菜の一生にとって、ほんの一コマに過ぎない形であるということに気付かされました。
そもそも野菜は人間に食べられるためだけに存在するわけではなく、この世に存在するために存在しているもの。本来の野菜は“生き物“であり、私たちは命が宿っているものを頂いています。
この本をきっかけに、食事するときに何気なく言っている「いただきます」が、変わってくるかもしれません。
小学校高学年からでも読みやすいので、お子さんにもオススメできる本だと思います。