なす、ズッキーニ、トマト、もやし…。定番ながらも野菜の底力を感じる、7月のお野菜トーク&レシピ

まんぷくベジ座談会 〜7月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。

7月に入り、ジメジメ雨模様の日も増えて、さっぱりしたものが食べたくなる季節。暑い日が続くと、夏バテも心配になりますよね。そこで、旬を迎えるなすやズッキーニ、トマトなど、さらに定番ながらも、実は栄養豊富なもやしについてトークしました。

 

INDEX

・"なす"はただの"なす"にあらず。これからはご当地なすも楽しむべし
・生でも、焼いても◎。今が旬のズッキーニでもう一品
・日の目を見れない、もやし。実は、ビタミンCが豊富な万能野菜!
・暑さで食欲が出ない時は、山形のだしでさっぱりと
・生でも、加熱してもおいしい!夏に毎日食べたい、トマトアレンジ
・おしりの甘い香りがサイン パイナップルは完熟を選ぼう

<座談会参加者>

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小島香住さん
野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。

 

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介護食にも興味あり、育ち盛りのママでもある くりた
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トレンドに敏感でありたい、時短料理を目指す あり
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夫の野菜嫌いをどうにかしたい、敬食ライター あじさん
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フランスの食文化に詳しい、フレキシタリアンでもある ゆきこ
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加賀や京、鎌倉野菜などに興味津々 ささか
   

 


 

"なす"はただの"なす"にあらず。これからはご当地なすも楽しむべし

なす

 

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あり
 
なすも旬を迎えていますね。つややかでみずみずしいなすを見ると、太陽をたっぷり浴びて育ったんだな?なんて思います。
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小島さん
個人的には、ご当地品種がすごく多いので、旅行先でなすは必ず探したいなという感じです。まだまだ、知らないなすがいっぱいあるはずなんですよ。
 
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小島さん
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あり
 
実家からなすがたくさん届いたのですが、1つだけ、白いなすが混じっていました。                       
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小島さん
白なすや緑なす(青なす)、ゼブラなすなどもあるんですよ。こういった、ちょっと変わった色のなすは、ヘタが緑色をしているんです。日本の長なすは、ヘタのところが黒いんですよね。
 
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小島さん

 

色々な種類のなす

 

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ゆきこ
 
最近はスーパーでも、ちょっと珍しいなすが並んでいるところもありますよね。                             
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小島さん
いわゆる、「なす」として売られているのは日本の長なすですが、アメリカ種の「米なす」、大阪の泉州地域が特産の「水なす」、京都の上賀茂地域が特産の「賀茂なす」などいろいろな種類があります。
 
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小島さん
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あり
 
海外産のものや、日本の伝統野菜など、調べてみると種類が豊富ですね。ところで、なすがたくさん届いても、いつもワンパターンなレシピになってしまいます。おすすめのレシピ、ありますか?
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くりた
 
魚焼きグリルを使った焼き浸しが私のおすすめです。なすの皮を4箇所ぐらい縦にむいて、それを魚焼きグリルに入れて焼きなすを作ります。皮が真っ黒に焦げるんですが、それを手でむいて、焼き浸しにして食べるとおいしいですよ~。ちなみに、柑橘類の皮をむく「ムッキーちゃん」という皮むき器があるんですが、それがなすにもすごく使いやすいんです!
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小島さん
ムッキーちゃんがなすに使えるとは!!知らなかったです(笑)。
 
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小島さん

 

 

生でも、焼いても◎。今が旬のズッキーニでもう一品

ズッキーニ

 

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あり
 
最近、店頭に並んでいるズッキーニ、巨大じゃないですか?しかも値段が安い!今年はかなり食卓に並んでます。
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小島さん
うちは息子がフライ好きなので、ズッキーニはフライにして食べることが多いです。ソースをつけるのが面倒なので、パン粉の中に粉チーズやオレガノを入れて、それで揚げちゃいます。輪切りの時もありますが、最近は太いのが出ているので、食べやすいスティック状に。ハワイに行ったときに、ズッキーニのフリッターにタルタルソースをつけて食べたんですが、それがすごくおいしかったです。ズッキーニ、揚げ物は合いますよ。
 
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小島さん
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ゆきこ
 
私は、コストコで売っていたメニューを再現しています。ズッキーニを生のままサイコロ状にカットして、そこにキヌアやトマトなど好きな食材を入れて、オリーブオイルやお酢などでさっぱりな味付けにします。ごはんと一緒に食べるとよりおいしくて、食欲がない時でもパクパク食べれちゃいます。
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小島さん
数年前に、全農さんがズッキーニのステーキのレシピを公開してバズってましたよ。ズッキーニを縦にカットするのが斬新!
 
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小島さん

 

 

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あり
 
ズッキーニも、いくつか種類があるんですか?                                
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小島さん
ゼブラ柄のズッキーニもありますし、緑と黄色のツートンになったグリーンパンツという種類もあるんですよ。                
 
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小島さん

 


グリーンパンツのイメージイラスト

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緑のズボンを履いたズッキーニ!? グリーンパンツを調理する3つのコツとレシピ

 

畑の中のズッキーニ

 

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くりた
 
ズッキーニって、垂れて育つのではなくて、放射線状になるんですよね。最初見た時はびっくりしました!野菜って、やっぱり面白いですよね~。

 

 

日の目を見れない、もやし。実は、ビタミンCが豊富な万能野菜!

もやし

 

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あり
 
注目されることが少ないかもしれませんが、みなさん、もやしはよく食べますか?先日、実家からきゅうりが大量に届いて、ナムルが無性に食べたくなったので、もやしを買ってきたのですが、もやしの保存がいつも悩ましいです。消費期限がすごく短いですよね。
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小島さん
もやしを買ってきたら、袋にフォークで何箇所かに穴を開けて、野菜室で保存するといいですよ。もやしは収穫後も呼吸をしているので、買ってきた後も呼吸ができるようにしてあげてください。
 
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小島さん
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くりた
 
私も、袋の端っこをハサミでちょっとだけ切って保存していますよ。もやしにはどんな栄養があるんですか?      
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小島さん
もやしはビタミンCが豊富なんですよ。それから、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸も多く含まれているので、疲労回復などにも効果的なんです。だから、夏バテしやすい時期などにおすすめの食材です。
 
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小島さん
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あり
 
冷凍保存もできますか?                                             
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小島さん
もちろんできます!茹でてから冷凍保存でもいいですし、生のまま冷凍することもできますよ。ベトナムでは、もやしは生のまま食べますよね。よく、フォーなどの上に生のもやしがのっていたり、バインセオ(ベトナム風オムレツ)などにも入っています。
 
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小島さん
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ゆきこ
 
この前ベトナムで食べたフォーは、器に麺だけが入っていて、もやしやレモングラスなどのトッピングを自分で入れて食べるスタイルでした。

 

もやし入りのフォー

 

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ゆきこ
 
もやしは、茹で時間で迷うことがあります。どのぐらい、茹でるのがいいんですか?                      
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小島さん
食感をどこまで残すかなので好みでいいんですが、あまり茹で過ぎてしまうと、和物にしたときに水分が出過ぎてしまうんです。我が家では、水からもやしを茹でて、沸騰したら火を止める程度に。生でも食べられるので、その程度で全然OKなんです。
 
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小島さん
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くりた
 
その後に、水にはさらさないですか?                                              
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小島さん
水にはさらさないです。お湯を切って、温かい状態で調味料などを加えて和えると、味が染み込みやすくなりますよ。この程度の茹で時間で調理すると、シャキシャキ感は残るし、水っぽくならないのでおすすめです。
 
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小島さん
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あり
 
もやしって、実はすごく便利ですよね。カットしなくても、ちょうどいい長さと細さで、炒め物にもそのまま入れられるし。あと、ヘルシーだからカサ増しにもぴったり。
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くりた
 
もやしにも、実はいろいろ種類がありますよね。ちょっとだけお値段の高い黒豆もやしとかは有名ですけど、豆がついているタイプやついていないタイプ、細長いタイプなどなど…。今度、いつもと違う種類に挑戦してみます!
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ゆきこ
 
個人的には、もやしって野菜の中でも、あまり使う機会がなかったんですが、実はビタミンCが豊富というのを聞いて、ちょっと見方が変わりました!
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小島さん
もやしの肉巻きなんかもおいしそうですよね。うちの場合は、とん平焼き(豚肉や野菜を卵で包む鉄板メニュー)お好み焼きのキャベツ代わりに、もやしを使うこともあります。サッと使えるから便利なんですよね。
 
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小島さん

 

 

暑さで食欲が出ない時は、山形のだしでさっぱりと

 

山形のだし

 

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あり
 
梅雨の終わりも近づいてきて、そろそろ暑い夏がやってきそうですね。今年の夏もかなり暑いらしいので、夏を乗り切るために野菜を効果的に食べたいです。みなさん、冷蔵庫に常備しているものってありますか?
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ささか
 
うちの義母がよく作ってくれるのですが、山形の郷土料理「だし」は暑い夏にぴったりですよ。家庭菜園できゅうりやなすがたくさん採れた時に、細かく刻んで作ってくれるんです。
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あり
 
私もだし、好きです!東京のスーパーでは、お豆腐売り場の横に山形のだしが置いてあったりしますよね。私は市販の味しか知らないけど、家庭で作れば、その家その家で違う味になるんでしょうね。
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くりた
 
今、いろいろな人のレシピ見ていると、なす、きゅうり、オクラ、みょうが、しそ、白ねぎ、長いもなんかを入れているみたいですよね。栄養満点だし、作ってみようかな!
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あじさん
 
山形のだしには、ネバネバ系野菜もたっぷり入っていて、体にも良さそうですよね。     
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ささか
 
夏バテで食欲がない時も、だしをご飯にたっぷりかければ、サラっと食べれちゃいますよね。サラッと食べれるといえば、九州の冷や汁もこの時期にいいですよね。ただ、ごまをすったり、魚を焼いてほぐしたりと、冷や汁は作るのがちょっと面倒なんですけどね。

 

 

生でも、加熱してもおいしい!夏に毎日食べたい、トマトアレンジ

トマト

 

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ささか
 
夏野菜といえば、よく行くもつ焼きの店で「がりトマト」を出してくれるんですが、これがさっぱりしておいしいんです。がりをスライスして、湯むきしたトマトをざく切りし、それを合わせているだけなんですけど、いくらでも食べられます!
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あり
 
がりトマト、食べてみたいです。みなさん、トマトはどんな風に食べていますか?       
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あじさん
 
ツナトマトはよく作ります。トマトにツナとごま油、醤油、砂糖、みりんを加えるだけなんですけど、おいしいですよ。
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小島さん
私はトマトにはたまねぎですね。これに刻んだしそを入れて、ポン酢とごま油であえて、最後にしそを上にのせます。
 
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小島さん
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ささか
 
我が家では、カレーやオムライス、チャーハンなどにトマトを刻んで混ぜ込んで食べます。トッピングみたいな感じ。そうすると、ごはんはちょっとの量でも、けっこうお腹いっぱいになるんですよ。
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あり
 
うちは、夏に頻繁に登場するそうめんにトマトを入れます。つゆに刻んだトマトを入れて、あとはしそとみょうがをトッピング。ここにさばの水煮を入れてもおいしいです!
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小島さん
サバ缶とトマトでカレーもおすすめですよ。すぐに火が通るので、調理時間も短くて、暑くて火を使いたくない時にぴったりのカレーなんです。
 
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小島さん

 

 

おしりの甘い香りがサイン パイナップルは完熟を選ぼう

パイナップル

 

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くりた
 
国産のパイナップルは、今が旬のようですよ。沖縄でもおいしいパイナップルが食べられますよね。
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あり
 
この前お店で、パイナップルのカプレーゼというのをいただきました。おいしかったです~。ぜひ、おいしいパイナップルの選び方を知りたいです。
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小島さん
パイナップルは追熟しないので、必ず完熟しているものを選んでくださいね。おしりのあたりを嗅ぐと、甘い匂いをしているものが完熟のサイン。それと、もしすぐに食べないのであれば、葉っぱ部分を切り落として、おしり側を上にした状態で1日置いてみてください。甘みが全体に広がります。
 
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小島さん
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くりた
 
緑っぽいのや黄色っぽいのがあるのは、あれは黄色っぽくなっていれば完熟と思っていいですか?
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小島さん
品種によって違うので、色での見分けはなかなか難しいです。やっぱり、香りで判断するのがいいですよ。
 
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小島さん
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あり
 
見分け方といえば、いつもアボカドの選び方で失敗してしまいます。とくに、食べごろのアボカドをお店で選ぶことができなくて……。
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小島さん
すぐに食べるのであれば、チョコレート色を選んでください。それと、ヘタの部分を指でそっとやさしく動かしてみると、少し浮くんです。ここが浮いたら、アボカドの食べ頃ですよ。
 
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小島さん
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あり
 
これからはスーパーで、パイナップルのおしりをかいでみたり、アボカドのヘタを触ってみたり、いろいろ実践してみたいと思います!

 


 

これから本格的な夏を迎える前に、野菜も積極的に摂って、カラダを整えておきたいところ。そのためには、旬の野菜を上手に取り入れたり、今の自分に必要な栄養素を補ったりできるといいですね。日常的に野菜を食べるためには、自分が使いやすい野菜を見つけてみたり、新しい食材やレシピに挑戦して飽きない工夫をしてみるのもポイント。ぜひ、編集部のレシピも参考にしてみてくださいね。

WRITER

内田あり
Ari Uchida

フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。