まんぷくベジ座談会 〜8月編〜
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】
【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】
野菜好きが集まる、まんぷくベジ編集部。「最近、お店で〇〇が並びはじめたよね」「今って、どんな野菜に注目してる?」など、野菜談義は尽きません。そこで、野菜ソムリエで管理栄養士でもある小島香住さんを交えて、編集部メンバーがどんなトークをしているのか、毎月ご紹介。
7月から続く猛暑に負けずにカラフルに育つ、トマトやゴーヤ、ピーマンなどの夏野菜は、この時期こそ積極的にとりたいところ。そこで、夏野菜をよりおいしく食べるコツや、下処理の方法などについてトークしました。
INDEX |
・少し形が悪いトマトでも、自分で半加工すれば十分おいしく |
<座談会参加者>
小島香住さん 野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は2歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。「まんぷくベジ」メンバー。 |
介護食にも興味あり、育ち盛りのママでもある くりた
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トレンドに敏感でありたい、時短料理を目指す あり
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夫の野菜嫌いをどうにかしたい、敬食ライター あじさん
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フランスの食文化に詳しい、フレキシタリアンでもある ゆきこ
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少し形が悪いトマトでも、自分で半加工すれば十分おいしく
あり
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毎日暑いですが、夏らしい野菜、食べていますか?
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あじさん
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先日、トマトがたくさん届いたのでトマトジュースを作ってみました。それを1日冷蔵庫に入れて次の日に出してみると、二層に分離していたんですよ。下の透明部分を飲んだらとにかくおいしくて!びっくりしました。
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小島さん
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透明の液体は、トマトの出汁なんですよ。トマトの旨みがギュッと詰まっているんです。
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小島さん
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あじさん
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へ~、そうなんですね!トマトの出汁で、トマトのジュレとか作ってもおしゃれで涼しげ!旨みがあるなら、お味噌汁とかスープに使うのもいいかもですね。
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小島さん
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今出回っているトマトは、ちょっと形が悪かったり、キズありのものが多いかな?という印象。でも、そういったB級品でお買い得になっているトマトを見つけたら、トマトジュースやトマトの出汁など半加工にしてみるのもおすすめですよ。見た目は少々悪くても、味はまったく変わらないですからね。
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小島さん
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ゆきこ
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フランスの店頭で並んでいるトマトは、傷んでいるものも普通に混じっているし、形もけっこういびつでした。日本みたいに、整ったきれいな形をはしていないんですよね。でも、味は抜群!それでラタトゥイユを作ったんですが、煮込んでしまえば傷みなどは気にならないし、すごく濃厚でおいしかったです。
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小島さん
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私は先日、トマトケチャップを手作りしましたよ。神奈川県が開発したブランドトマトの「湘南ポモロン」という品種を使ったのですが、煮込むと色がギュッと濃くなって、色味もきれいに仕上がりました。これだけで舐めてもおいしいんですよ~。
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小島さん
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小島さんの手作りケチャップレシピ
<材料> <作り方> |
ゆきこ
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わ~すごくきれいな色のケチャップですね。黄色いトマトでケチャップなんて新鮮!市販のトマトケチャップとは、やっぱり味が違うんですか?
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小島さん
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違いますね。市販のような味の濃さはないです。だから、チキンナゲットのようなしっかり目のメニューに合わせると味が負けちゃうんです。どちらかというと、オムレツとか、塩だけのシンプルなポテトフライとか、優しい味わいの料理に合わせるのがおすすめです。
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小島さん
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ゴーヤやピーマンなど、クセあり野菜は下処理で工夫を
あり
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実家からゴーヤやピーマンなどの夏野菜がたくさん届いたんですが、家族があの苦味が苦手で…。食べやすくなるコツを知りたいです。
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小島さん
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ゴーヤの下処理をするときに、塩揉みして苦味を出すことが多いと思いますが、このときに一緒に砂糖を加えると、さらに苦味を出すことができるんですよ。「塩+砂糖」で下処理するのがおすすめです。
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小島さん
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あり
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砂糖ですか!初耳です~。あまり苦くないゴーヤの選び方も知りたいです。
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小島さん
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緑色のゴーヤは、まだ未熟な状態で食べているので、苦味が強いんです。そして完熟してくると、黄色くなって甘くなるんです。緑が濃いものの方が苦味は強いので、少し黄緑色のものを選ぶと苦味が弱いですよ。
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小島さん
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くりた
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ピーマンはどうですか?
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小島さん
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ピーマンは、切る向きによって苦味が感じやすかったり、感じにくかったりするんです。繊維を断ち切るように横切りにするよりも、繊維に沿って縦切りにする方が、苦味を感じにくくなるんです。あとは、よく冷やすと苦味を感じにくくなると言われているので、ヘタと種をとったピーマンを氷水に漬けて、冷やしピーマンにするのもおすすめです。
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小島さん
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ゆきこ
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冷やしピーマンとは!そんな裏ワザがあるんですね~。
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小島さん
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それと、ピーマンを選ぶ時はヘタの形に注目してみてください。ヘタが五角形よりも六角形の方が、甘味が強いですよ。
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小島さん
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新顔野菜は、身近な存在になりつつある!?
あり
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8月ですね~!暑い日は、冷たいお野菜でクールダウンしたいですよね。ところでみなさん、最近注目しているお野菜ってありますか?
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くりた
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私、今夏、代々木上原のビストロで「ようこそ、新顔野菜の部屋へ」で取り上げていたコールラビのお料理をいただいて、うっとりしたんです。コースの一品だったのですが、薄くスライスされたコールラビが盛り付けられていて、その下に実は別のお野菜が隠れていたり、仕上げにディルだったのかな、良い香りのハーブがかかっていたりと、すご~く凝った涼しげな一皿でした!
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小島さん
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コールラビ、つい最近、スーパーで売っていましたよ。以前よりも、こういった珍しい野菜をスーパーでもちょこちょこ見かけるようになりましたね。スーパーも野菜を買ってもらうために売り場の工夫をしていて、珍しい野菜も積極的に取り入れているようです。
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小島さん
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あり
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新顔野菜のコーナーでこれまで紹介してきた野菜って、すぐに手に入らないような野菜が多くて、どれも遠い存在だった気がするんです。でもここ最近は、少しずつ出回る種類や量も増えてきて、以前は珍しいと言われた野菜もずいぶん身近になりましたね。
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調理法を選ばない万能野菜、コールラビ。おいしさを活かす3つのポイント ようこそ、新顔野菜の部屋へ vol.4 |
小島さん
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たとえばビーツなんかも、以前は水煮や缶詰ばかりだったのが、最近はフレッシュなものが手に入るようになりました。
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小島さん
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あり
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葉物コーナーで、カラフルなスイスチャードも見かけます。いつも同じ野菜じゃつまらないし、たまに買ってみようかな?なんて思ったり。でも目新しい野菜って、使い方がいまいちわからないってことも多いかも?それで、結局手に取る勇気がなくなっちゃう……。まずはレストランなどで味わってみると、食べ方のヒントがもらえそうでいいですね。
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ピーラーを上手に使えば、キッチンに立つ時間も短縮!
あり
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先日、我が家のピーラーを新調したのですが、それがびっくりするほど切れ味がよくて!どうして、もっと早く買い替えなかったんだろうと後悔したぐらい。皮を剥いた表面が、本当にツルツルっとしているんです。
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ピーラー選びで味と食感が変わる!? 貝印に聞いた、ピーラーの選び方&使い方 野菜をおいしくする、愛すべき道具たち vol.2 <ピーラー編> |
小島さん
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我が家でにんじんをサラダにするときは、ピーラーしか使わないですよ。ボールにむかってシュッシュっとピーラーでスライスして、あとは調味料で混ぜるだけ。包丁とまな板は使わないです。うちの子どもはゴマ味が好きなので、にんじんのごま味噌和えをよく作ります。
にんじんを包丁で千切りにすると、どうしても厚みが出てしまうし、味が染みたりしんなりするのに時間がかかっちゃうんです。でも、ピーラーだとすごく薄いので、食べやすいうえに、調理の時短にもなりますよ。 |
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小島さん
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小島さんの、にんじんのごま味噌和えレシピはこちらをチェック! |
くりた
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ピーラーって、夏の調理と相性がいいかもしれないですね。薄くスライスすると、野菜も涼しげだし。キッチンに立つ時間も短くできそう!
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夏野菜こそ、電子レンジでパパっと簡単調理を
くりた
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小島さん、夏野菜はこうして食べるのがおすすめだよっていうのはありますか?
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小島さん
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夏野菜こそ、電子レンジで調理するのがいいですよ。私は、とうもろこしとなすは、絶対にレンジ調理にしています。暑いから火を使いたくないし、ボタン押せば勝手に仕上げてくれるし(笑)。
よく、電子レンジを使ってなすの南蛮漬けを作るんですけど、揚げないからカロリーも気にならないし、おすすめですよ。 |
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小島さん
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小島さんの、なすのレンジ調理レシピはこちらをチェック! |
くりた
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レンジ調理、楽でいいですよね~。私は、乱切りにしたなすに米油をかけて、耐熱容器に入れてチン。火が通ったら白だしをかけて、ちょっと冷めてきたら大葉やみょうがをのせていただきます。
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あり
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私はよく、焼きなす風のおつまみを作ります。なすのヘタ部分を残して皮をむいて、丸ごと茹でて火を通します。縦に包丁を入れて、冷蔵庫でしっかり冷やすと、よりおいしいですよ。仕上げに、鰹節とポン酢をかけるだけ。これ、いつも茹でて作るのですが、電子レンジでやってみます!
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今年もさらなる猛暑続きで、ちょっとバテ気味…という方も多いのでは?そんなときは旬の野菜を食べて、夏に汗をかくことで失われがちなカリウムなどのミネラルを補いましょう。夏野菜の中には、ゴーヤやピーマンなど、ちょっと苦味があって食べにくい食材も。編集部がおすすめするレシピや下処理の工夫を参考にして、夏野菜を上手に取り入れてみてくださいね。
WRITER
フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。