定番野菜が極上な一菜一皿に
レタス
レタス
みずみずしく、パリッとした食感にさわやかな香りが楽しめるレタス。最も身近なのは、結球しているクリスプヘッド型の玉レタス。ほかには、非結球のものや茎を食べるものなど、品種も多くあります。サラダの素材としての食べかたが定着していますが、世界では加熱調理も一般的。今回は、そんなレタスと向き合っていきます。
レタス
レタスには骨の形成に関わるビタミンKが含まれ、サニーレタスなど色の濃い品種により多く含まれます。芯の切り口から出てくる乳汁は、ラクチュコピクリンという苦味成分で、リラックス効果や睡眠改善効果が期待できるとも言われています。
<おもな栄養素>
ビタミンK、カリウム、葉酸など
紀元前から食べられていた古き野菜
レタスの原産は特定されていませんが、古代エジプトでは栽培されていたという話もあり、紀元前から食べられていたと言われます。地中海からアジア圏にかけて広く野生種が存在していたものが品種改良され、結球型(玉レタス)、非結球型(リーフレタス)、ステム型(茎レタス)に大きく分けられていきました。
日本には、奈良時代に茎レタスが中国から伝わり、煮ものなどで食べられていました。和えものや漬けものなどで食べられている「やまくらげ」は、茎レタスを乾燥させた加工品です。
現在の消費の多くを占めている玉レタスは、進駐米軍の特需野菜として、江戸時代の末期に栽培がはじまったのがきっかけ。その後、高度経済成長とともに食の欧米化が進み、サラダ野菜の需要が拡大していきました。あわせて貯蔵や流通の技術進歩によって、日持ちのしないレタスを全国に出荷できるようになり、生産量が大きく増えて一般家庭でもサラダの素材としての食べかたが定着したのです。
カスミ子先生から、ひとことアドバイス
ロメインレタス(立ち型)、サラダ菜(バターヘッド型)もレタスの仲間よ!
香ばしいレタスのおいしさに気づく、焼きサラダ
レタスはサラダ野菜の代表格であり、やはり生で食べることが多いものです。しかし、世界ではレタスをテリーヌにしたり、チャーハンやスープに入れたりと、加熱調理も一般的。サッと熱を加えたレタスは甘さが引き立ち、サラダとはちがうおいしさを楽しむことができます。
玉レタスを大きく切り分けて表面だけを焼く「焼きサラダ」は、サラダならではのシャキシャキ感は残しつつ、香ばしさをプラスした新しいおいしさ。カリッと炒めたじゃこをドレッシング代わりにたっぷりとかけていただきます。ナイフとフォークで食べたくなるような、レタスが主役の一品です。
焼きサラダのレシピ
材料
・レタス…1個
・ごま油…大さじ1
・ちりめんじゃこ…30g
・塩こしょう…少量
・青ねぎ…少量
作りかた
① レタスを縦4等分に切る。
② フライパンにごま油を半量(大さじ1/2)熱し、レタスの切り口を下にして並べ、焼き色がつくまで焼く。(レタスがばらけてしまうときは、竹串やつまようじを刺す。)
③ 反対側の切り口も焼き色をつける。
④ レタスをお皿に取り出し、同じフライパンに残りのごま油(大さじ1/2)を入れて熱し、ちりめんじゃこを炒める。
⑤ レタスに④をかけ、塩こしょうをふり、青ねぎをトッピングする。
カスミ子先生から、ひとことアドバイス
表面だけを焼くからシャキシャキ感が残るのよ!
レタス選びの肝は、欲張らない気持ち
おいしいレタスを選ぶポイントは次の3つ。
・濃緑色より淡緑色のもの
・切り口は10円玉くらいの大きさのもの
・見た目よりも軽くてふんわりしているもの
食材を選ぶときは、どうしても大きくてずっしり重いものの方がお得感があり、ついつい選びたくなりますよね。でも、レタスは大きかったり重かったりするものは、葉がかたく苦味が強い可能性が高いのです。レタスをおいしく味わうためには、欲張らないようにすることがとても大切だということを覚えておいてくださいね。
カスミ子先生から、ひとことアドバイス
みずみずしさもポイントよ!
まとめ
紀元前から食べられていたと言われるレタス。今となってはサラダの素材として生で食べることが定着していますが、日本に最初に伝わってきた茎レタスは加熱して食べることが一般的で、現在主流の玉レタスも世界では加熱する調理法が多くあります。フライパンで焼き目をつけたレタスは香ばしさもありながら、レタスの甘みが引き立って、フレッシュなサラダとはちがうおいしさを楽しむことができます。ぜひ、加熱したレタスのおいしさを体感してみてくださいね。