樋口一葉ゆかりの地として知られる台東区竜泉(りゅうせん)。閑静な寺町でもあるこの界隈に、普茶(ふちゃ)料理でもてなすお店があります。1959(昭和34)年創業の「普茶料理 梵(ぼん)」です。
普茶料理は江戸時代初期に、隠元(いんげん)禅師が明(中国)から伝えた精進料理。「普茶」には「普く(あまねく)大衆と茶を供にする」という意味があることから、普茶料理の場では上下の隔たりなく、みんなが平等のもとお茶や食事を楽しみます。
風情ある数寄屋造りの個室で味わう普茶料理は、一品ずつ提供される懐石スタイルが主軸。しかしながら平日の昼席のみ、お弁当形式で楽しめる「普茶弁当」3,450円(税・奉仕料別)もあり、よりカジュアルに楽しめると人気なのです。
内容は月替わり。取材した4月は桜があしらわれ、まるでお花見をしているような雰囲気をも味わえました。