“台湾素食(そしょく)”といえば、第一に名前があがる「中一素食店 健福(なかいちそしょくてん ちぇんふ)」。JR国立駅から歩くこと数分、その佇まいは町のレストランといった趣で、店主による気さくな接客と料理は、1986年の開業以来、ベジタリアンのみならず、地元客にも愛されています。
「素食」とは菜食のことで、台湾におけるベジタリアン食のこと。ベジタリアンのなかでもオリエンタルヴィーガンと呼ばれ、仏教思想に基づいて避けるべきと考えられている三厭(さんえん。鳥・牛や豚の肉・魚)や動物性由来の卵や乳製品、さらに五葷(ごくん。ニラ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、アサツキ)も使わずに料理が作られているのが特徴です。
そんな台湾素食レストランである「中一素食店 健福」では、酢豚や魯肉飯(ルーローハン)など、見た目や味、ボリューム感が普通の中国料理と変わらない“もどき”料理の数々を味わえます。
以前、友人とランチで初訪問した際、2人とも偶然に選んだのが「中一特製漢方スープ」1,380円。その日は少し肌寒かったせいか、自然とからだが欲していたのか、このスープを選んで大正解とばかりに、名残惜しみながら最後の一滴を飲み干すほど、すっかり虜になった一品でもあります。今回は同店スペシャリテである「中一特製漢方スープ」の魅力を紹介します。