野菜をおいしくする、愛すべき道具たち vol.3 <サラダスピナー編>
みなさんは、葉物類の水切りにサラダスピナーを使っていますか? 高速回転による遠心力で、水洗い後の野菜の表面に残る水分を効率的に取り除くキッチンツールです。収納にかさばる?なくても調理できる?もちろん、手で振って水を切ったり、キッチンペーパーで拭いたりする方法もありますが、水の切り具合でおいしさや効率に大きな違いが出るとしたら……。
そんなサラダスピナーについて、デザイン性にもしっかりこだわった「Toffy」ブランドで、3種類のサラダスピナーを開発・販売する株式会社ラドンナに伺った、メリットや使い方のコツをご紹介します。
サラダスピナーは19世紀から続いてきた歴史ある調理道具
現代のヘルシーなキッチンアイテムのひとつとして広まっているサラダスピナーですが、その歴史は意外と古いのをご存知でしたか?洗った野菜の水分を切るための特別な道具は、すでに19世紀から存在していたそうです。メタル製のワイヤーが編まれたカゴ型のサラダドライヤーもありましたが、1970年代に今親しまれているタイプのサラダスピナーがフランスやアメリカの一般家庭で、日常的に使用されるようになったそうです。
日本でのサラダスピナー普及時期は、明確になっていません。そもそも日本で生野菜をサラダとして食べる食習慣が定着し始めたのは、1964年の東京オリンピックがきっかけと言われています。この頃はきっとザルを上手に使って水切りしていたのでしょう。高速回転するサラダスピナーは、フランスやアメリカでの普及を経て日本の家庭にも徐々に定着。今では、新生活を始める方への贈り物としても人気があり、その便利さが広く認識されているアイテムとなっています。
サラダスピナーで水気を切る習慣がつくる、5つのメリットとは
サラダスピナーを使って野菜の水分をしっかり切ることによって、他の方法で水気を切るのでは得られないメリットがあります。整理してみたところ、5つもありました。
1.野菜をシャキッとさせる習慣ができる
サラダのおいしさの最大の魅力は、口に入れたときのシャキッとした食感。水っぽさが残っていると、このような食感を出すことはできません。サラダにみずみずしさは必要ですが、水っぽさは必要ないのです。
このシャキッと感を出すためには、水切りの方法は意外と重要です。水洗いした後の野菜をどう扱うかによって、このシャキッと具合にも差が出てしまうのです。手で振って行う水切りでは、葉っぱが重なっている部分の水分がしっかり取れていなかったりと、どうしても水切り具合に限界があります。また、キッチンペーパーでは、一枚一枚水気を拭き取るのは、手間も時間もかかってしまいますよね。
そこで、短時間で、さらに均等に水分を取ることができるのがサラダスピナー。しっかりと水分が取れた葉物野菜などは、野菜本来のシャキッとした食感を出すことができますよ。これを習慣にすれば、お店で食べるようなシャキッとしたサラダに近づくはず。
2.野菜本来の味わいを出せる
野菜の表面に水分が残っていると、野菜本来の味がぼけてしまったり、ドレッシングや調味料が水分によって薄まってしまい、なんとなく水っぽい仕上がりになってしまいます。また、手で振って水気を取るだけでは、水分が取れている部分とそうでない部分がまだらになってしまい、ドレッシングや調味料が全体に馴染みにくくなってしまいます。そこで、サラダスピナーでしっかり水分をとることで、野菜全体にドレッシングが馴染みやすくなります。
3.手早く調理が進む
水切りはキッチンペーパーや清潔なタオルなどで行うこともできますが、一枚一枚水分を取るのはとても大変な作業。水切りのたびにキッチンペーパーを数枚使えば、それなりにコストもかかってしまいます。サラダスピナーであれば、十数秒ほどハンドルを回せば時短にもなりますし、野菜の水切りをより手軽に行うこともできます。
さらに、サラダスピナーは蓋を取れば、ボウルとザルを単体として使うことも。キッチンの収納場所が限られているご家庭なら、サラダスピナーを1つ持っていれば、水切りにも、ボウルやザルとしても使うこともできます。
4.油はねを防止して、炒め物がおいしくなる
野菜は生のまま食すだけでなく、炒めたり、揚げたり、茹でたりとさまざま。その下処理にも、実はサラダスピナーは活躍します。野菜に水気が残っていると、炒めものや揚げものの最中に油はねしてしまい、それがストレスになっている人も多いのでは?サラダスピナーは、すごくかたい野菜(かぼちゃなど)以外であれば、どんな野菜でも水切りができます。たとえば、なすを素揚げする前にサラダスピナーで水切りをしっかりすれば、あのいや?な油はねの心配もありません。
5.野菜をよりヘルシーに食べられる
野菜表面の水分がきちんと切れていると、ドレッシングとの馴染みがよくなり、少量のドレッシングでもしっかりと野菜と絡み合います。そうすると、ドレッシングの量も抑えることができ、よりヘルシーにサラダを食べることができます。
サラダスピナーを使った後の、正しいお手入れ方法とは
サラダスピナーを毎日使っていると、なかのバスケットの網目部分にカビのような黒っぽい汚れが付いていたことはありませんか? 清潔に使うためには、使用後には正しくお手入れをすることが大切です。
そんなに汚れていないからと、つい水洗いだけで済ましてしまいますが、野菜のかすなどが残っていることも。ちょっと面倒ですが、毎回洗剤とスポンジで洗うようにしましょう。
カビが生えないために一番大切なのは、洗った後にしっかりと乾燥させること。ボウルとバスケットを重ねたまま乾燥させようと思っても、しっかり乾かないことがあります。重ねないように、バラバラで乾燥させましょう。少しでも水分が残ってしまうと、雑菌が繁殖してしまう可能性があるので、注意が必要です。
タイプ別、サラダスピナーの選び方のコツとは
サラダスピナーは、多くのメーカーからさまざまなタイプのサラダスピナーが販売されています。基本的に水切りの機能は変わりませんが、水の切れ味やハンドルの使いやすさ、水切り口があるかどうか、サイズ感など、自分に合ったサラダスピナーを選んでみてください。ここでは、タイプ別に「Toffy」の商品をご紹介します。
■ 料理初心者さんが持っておきたい、最初の一台に…
Toffy 3WAYサラダスピナー(2,500円・税抜)
野菜の水切りだけでなく、アタッチメントを変えれば、3枚カッターで野菜を刻んだり、ブレンダーで泡立てたり、混ぜ合わせることができます。これ1つでいろいろな調理ができるので、料理初心者や、一人暮らしをはじめるときなどに持っていると便利。さらに、縦にスリムな形をしているので、収納場所もコンパクトに済むのも魅力です。
編集部で実際に使ってみると、スリムでコンパクトな分、野菜を入れる容量が少し小さめ。そのため、サラダスピナーとしては一人暮らし向けの分量という感じです。また、3枚カッターでたまねぎを切ってみましたが、何回か回転させるだけで、あっという間にみじん切りが完了したのには驚きでした。回転の回数を減らして荒くしたり、逆にしっかり回して細かくしたりと、自在に調節ができるのもいいですね。
■ とにかく毎日サラダを楽しみたい人には…
Toffy サラダスピナー(2,000円・税抜)
軽くハンドルを回すだけで、簡単に野菜の水切りができるシンプルなサラダスピナー。水切りのみの機能なので、毎日野菜をたっぷり食べる人にはおすすめです。ロックが付いているので蓋が安定し、軽い力でもハンドルがしっかりと回しやすいのも特徴。水切り穴から水を出すことができるので、最後まで水切りができているかが確認しやすいのもポイントです。
編集部で3つのサラダスピナーを比べてみると、水切りとして使いやすかったのが断然こちら。ハンドルを回すのも安定感があるので、お子さんがお手伝いをするときにも使いやすそうです。余計な機能はいらないから、とにかくサラダスピナーとして使えればいい!という人はこちらを。
■ いろいろなシーンで使いたい&時短したい人に…
Toffy プッシュサラダスピナー&スライサーセット(3,500円・税抜)
ハンドルを回すのではなく、ハンドルをプッシュして高速で水切りができるサラダスピナー。さらに、カッタープレートをセットすれば、薄切りや薄千切り、つま切り、千切り、おろしの5つのカットが簡単にできます。スライスしたものはバスケットの中に入るので、野菜がキッチンやシンク内に飛び散る心配もなし。スライスした野菜はそのまま水洗いして、最後にサラダスピナーで水切りをすれば、これ1つでキャベツの千切りなどが完了します。
実際に使ってみると、回すのではなくプッシュするだけなので、力が弱い方でも水切りができそうです。スライサーもスーッスーッと野菜を動かすだけで、簡単に薄切りや千切りができあがり。たまねぎを切るときに、目が染みるのが苦手な人にもおすすめです。
今回注目したサラダスピナーは、ただ水切りをするだけのキッチンアイテムと思われがちですが、実はそれ以上のメリットが。しっかりと水切りをすることでシャキシャキさが感じられたり、ドレッシングや調味料が絡み合いやすくなったりと、サラダを食べるにあたってうれしいことばかり。また、炒めものや揚げものなどの下処理に使えば、油はねの心配もなし。
あれば便利だけど、なくても決して困らないサラダスピナー。でも、これひとつ持っていれば時短にもなって、さらにおいしいサラダが食べられるとくればいいことばかり。ぜひあなたの野菜ライフに、自分に合ったサラダスピナーを取り入れてみてはいかがでしょうか。
取材協力/株式会社ラドンナ
株式会社ラドンナ(LADONNA) は、キッチン家電が人気の『Toffy』や、フォトフレーム、アロマディフューザーなどのインテリアグッズの企画・販売を行なっている。『Toffy』は、ダスティカラーとレトロなデザインが人気。
ラドンナの公式サイトはこちら▶
WRITER
フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。
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