世代によって野菜の摂り方はどうちがう?
野菜との上手な付き合いかた

【野菜を毎日!まんぷくベジ350プロジェクト】

1日に摂るべき野菜の量は350g。これは、小学校高学年以上(幼児は240g /日、小学低学年は270〜300g /日)(※1)あれば、年齢や性別に関わらず同じ目標量になります。でも、世代がちがうと体格や生活スタイル、活動量はずいぶん変わりますよね。「目標量は同じでいいのかしら?」「調理方法で工夫したほうがいいの?」など、摂り入れかたに疑問をもっている方も多いかもしれません。そこで今回は、野菜との付き合いかたを世代別にご紹介します。

世代それぞれの、野菜摂取に関する課題とは


理想的な野菜の摂りかたは世代によって異なり、またそれぞれに課題もあります。ぜひ、自分やご家族の世代別の項目をチェックして、普段の食生活に役立ててみてください。


 

<子ども(小中学生)の場合>
朝食を意識的に摂ることが大事!

野菜と子どもの写真

 

子どもの食生活で、最近とくに課題になっているのが朝食を食べないこと。朝食を食べることは、食事のバランスを整える観点で大切なのはもちろんのこと、生涯にわたる食生活の基礎を身につける意味でも、とても重要なのです。
 

朝食を食べないと、内臓の動きが活発にならず、消化機能の不調も出やすくなります。また朝食に限らず、野菜を苦手とする子どもが多く、それによって慢性的な野菜不足になります。この影響で、便秘に悩む子どもが増えている現状もあるのです。
 

昼は学校の給食を食べている子も多いと思いますので、家で食べる朝と夜のうち、とくに朝ごはんを意識的に食べるように心がけると良いでしょう。夜ごはんの量が多いと消費しきれず、朝お腹が空かないから食べない……といった悪循環が生まれ、それも朝食を食べないことの原因のひとつになっているのです。
 

朝どうしても食べられないという場合は、野菜ジュースやスムージーなどから始めてみるのもよいかもしれませんね。生野菜が苦手な子どもでも、取り入れやすいと思います。

 

 

 

<青年(大学生・新社会人)>
“映える”野菜料理で、色を意識!

女の人と野菜の写真

 

大学生や社会人になると、授業の時間が日によって違ったり、一人暮らしを始めたりすることで生活リズムが乱れたり……。それらが原因で、食事の時間が不規則になりがちです。またこれまで、食事は家で用意されたものを食べていたのに、自炊するようになると料理の品数が減ってしまったり、必然的に野菜の摂取量が少なくなることも多いでしょう。「若いから大丈夫!」という意識で、食事管理が希薄になりがちな人が多いのも特徴です。
 

この世代においては、「見た目」のバランスを意識してみるのがおすすめ。SNSなど見かけるような“映える”食事を参考に、食事の色数を増やしてみるとよいでしょう。

 

こちらの記事をチェック!
野菜をバランスよく摂るために、 知っておきたい3つの法則
 


 

 

<成人(30~50代)>
外食やテイクアウトでの、野菜摂取量アップを!

テイクアウトの料理の写真

 

働き盛りになる30?50代では、多いと1日の1/3が仕事の時間となっているデータがあります。(※2)
 

食事にかける時間が少なくなったり、外で食事する機会が増えることから、外食における野菜摂取の増やしかたがポイントになります。生活習慣病というワードが気になり始めるのもこの世代。健康寿命を伸ばすことは、企業においても利益になるとの考えかたがされるようになってきました。


外食のほか、テイクアウトの場合でも、野菜を意識するといいでしょう。丼もの単品で済ましてしまうと、野菜は足りていません。味噌汁やサラダなどの副菜とセットにしたり、主食・主菜・副菜を単品で選んでオリジナル定食を作ったりしてみるのも楽しいですよ。

 

 

 

<高齢者(65歳以上)>
蒸し野菜やとろみづけなど、調理に工夫を

とろみ料理の写真


高齢者になると、活動量の低下にともなって食事の量が自然と減ってしまったり、なかには健康に留意して食事量を少なめにするという人もいるでしょう。また、噛む力や飲み込む力の衰えからも食事量は減り、結果的に低栄養になってしまう傾向があるのです。また、野菜を摂ることに対する意識は高いものの、漬物など塩分量の多いものに頼りがちに。食事量が少ない中で、塩分量だけが増えてしまうと摂取過剰になり、高血圧や脳卒中、心不全、動脈硬化などの病気へとつながってしまうので注意が必要です。
 

噛む力が弱くなってきたら、サラダではなく蒸し野菜にするなど、加熱するのがおすすめです。飲み込むことに自信がない場合には、野菜炒めを八宝菜のようにしてみるなど、とろみをつけると良いでしょう。

 

 

 

野菜をたくさん食べることは、健康な生活を送るためと分かっていても、どこか他人事のように思えてしまうかもしれません。でも、毎日の食事として口にしたものすべてが、カラダをつくる元となり、生涯の生活にも影響してくるのです。
 

自分はどの世代なのか、また家族や周囲の人がどうなのかも少し気にしてみると、野菜をバランスよく食べられ、上手に付き合えるのではないでしょうか。

 

 

※1:女子栄養大「4つの食品群の年齢別・性別・身体活動レベル別食品構成」
※2:農林水産省 食育推進法施策報告書

WRITER

小島香住
Kasumi Kojima

野菜ソムリエプロ&管理栄養士。食品メーカーでの営業・商品企画開発・メニュー開発などの勤務を経て、現在は1歳の男の子の育児をしながら、WEBサイトやInstagramで野菜の情報を発信。セミナー講師としても活動している。
「まんぷくベジでは、
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