はじめてのプラントベース、
ヴィーガンの食生活Q&A 〜外食編〜

mihoさん、おしえて!ヴィーガンの暮らしかた

最近よく耳にするようになったプラントベースフード。なんとなく興味はあるし、環境にもやさしそうだし、そしてカラダにもよさそうだし……ぜひ味わってみたい!という人も多いはず。でも、何からはじめていいのか迷いますよね。そんな人は、まずは外食で楽しんでみるのがおすすめです。


今回は、プラントベースフードを外食で味わうためのQ&Aをご紹介。約8年間、ハワイのヴィーガンカフェで働いたのち、現在は日本でヴィーガンシェフ・料理研究家として毎日キッチンに立つmihoさんにお答えいただきました。

――初心者が、プラントベースの食事を外食で試してみるのに、どんなジャンルのお店を選ぶのがおすすめですか?

みほさんの画像私のおすすめは、ヴィーガンカフェやヴィーガンのパン屋さんですね。手頃な価格だし、気取らずに入店できるので、挑戦しやすいのではないかと思います。和やかな雰囲気のステキなお店も多いですよ!

 

――mihoさんが実際にお店選びをする際に、どんな情報を事前にチェックしていますか?

みほさんの画像私の場合は雑誌を読んだり、InstagramなどのSNSをチェックしたり、ヴィーガン&ベジタリアン向けの情報サイトでレビューや写真を見たりしますね。あとは、友人におすすめのお店を教えてもらったりもします。基本的には、いつものお気に入りの店に行くことが多いですが、最近はヴィーガンのスポットが増えてきたので、新しくできたお店を開拓して楽しんでいます。食べるメニューは、その時の気分やカラダの調子によって選んでいます。

玄米や野菜がおいしいカフェレストランに行くこともありますし、スパイスの効いた南インドカレーや、思いきりジャンクなバーガーやドーナツ、ピザ、ラーメン、ファラフェルなどを食べることもあります。

――メニュー選びをするときに、使っている材料がわからない場合はどうしていますか?

みほさんの画像不安要素がある場合には、お店の方に質問してみましょう。ヴィーガンメニューのないお店では、リクエストして植物性の材料のみで作っていただける場合もあります。

 

――メニューや表記を見るときの、ポイントなどありますか?

みほさんの画像お店によって表記は異なると思いますが、ヴィーガンの表記と、ベジタリアンの表記がある場合は、ヴィーガンのものを選びます。ベジタリアンの表記では、魚、乳製品、卵、はちみつなどが使われている場合があるので、お店の人に確認するなどしていますね。最近よく見かけるプラントベースの表記も、プラントベースの食材を一部使用しているだけのこともあるので注意します。

――こんな料理の選び方をすれば、近所のお店でもプラントベースの料理を食べることができるよという、アドバイスはありますか?

みほさんの画像日本食は出汁に鰹節や鶏などを使っていることが多いので、お蕎麦屋さんなどチョイスするのは少しハードルが高いかもしれません。それに比べて、イタリアンやインド料理店などは、プラントベースの料理が食べられる可能性がありますね。

たとえば、一番シンプルなトマトソースとバジルのピザに、チーズ無しでアラカルトの野菜だけトッピングしてもらったり、トマトと野菜のパスタを作ってもらったり。インド料理店では、野菜の出汁で作った野菜カレーや豆カレーを選んだり。ここで大切なのは、お店のシェフとのコミュニケーション。チェーン店ではメニューや素材の変更は難しいのですが、個人店だと協力してくださるお店も少なからずあると思います。

――気に入ったプラントベースの料理に出合ったら、それを自宅でも取り入れる際に、気をつけるべきポイントは?

みほさんの画像お店で使っている素材と同じものが手に入らない場合もよくありますよね。でも、その素材に固執せず、難しく考えずに発想を自由に持つことが大事です。私は料理をする前によく、素材をかじってみたり、匂いをかいだりするのですが、何となく似たような種類や味わいのものを探して使ってみるのでもいいと思います。

簡単に作ることができるキットやインスタントのものもありますが、せっかく自宅でトライするのであれば、ちょっと不便な面もすべて楽しんで、料理をしてほしいなと思います。ヴィーガン食を通して、スローライフや人との会話を楽しめたらいいですよね。

 

野菜中心のプレート

 

――ヴィーガンでない友達と外食をするときの、お店選びや、ほかにどんなことに気をつけていますか?

みほさんの画像友人と外食をするときは、基本的には私が選ぶことが多いです。どうしても肉や魚じゃなきゃダメ!という友人はあまりいないので、逆にヴィーガン料理を試してみない?と誘ってみます。私が行っておいしいと思ったお店に行くことがほとんどですが、たまに新しいお店を見つけたから付き合って?とお願いすることもあります。

――少し視点が変わりますが、外国人観光客がプラントベースの料理やヴィーガン料理を味わうための、日本でのお店選びのコツを教えてください。

みほさんの画像やはり最大の難点は言語だと思いますので、言葉が通じなくて困らないように、インターネットの情報サイトを上手に使って下調べをして来られるといいと思います。スーパーで困らないように、食品表示ラベルの見方もチェックしておくとスムーズに買い物ができると思いますよ。

<mihoさんおすすめ!ヴィーガン情報サイト>
HappyCow
アメリカ発の世界最大級ベジタリアン・ヴィーガンレストラン検索サービス(英語)
Is it Vegan Japan
日本で生活するヴィーガンに向けた、食材や取り扱い店舗、ヴィーガンイベントなどの情報サイト(英語)
Surviving in Japan
日本語の食品ラベルを読むためのガイドページ(英語)

 

――海外のヴィーガンのお店と比べて、日本のヴィーガンのお店はどんな特徴がありますか?

みほさんの画像日本の昔からある食材、たとえば高野豆腐やお麩、日本の豆類、海藻類など。調味料では、手作り味噌や塩麹、醤油麹などを使って、ヴィーガンメニューを提供しているのが特徴的ですね。いわゆる和食をアレンジしてヴィーガンに作り替えたものが多いですが、味や飾り付けの繊細さも、日本人ならではと感じることが多いです。
 



初心者にとっては、ヴィーガン料理はどうしてもハードルが高くなってしまい、気軽に試してみるのをためらってしまうことも。でも、カフェやパン屋さんなど入りやすい店を選んでみる、ヴィーガン専門店でない店でプラントベースのメニューを探してみるなど、ちょっと工夫してみるといいでしょう。ヴィーガンの暮らしをしている友人と食事に行ってみるのもいいかもしれませんね。

暮らしを大きく変えるのは難しいですが、いつもの食事にプラスして、プラントベースフードやヴィーガン料理も選択肢のひとつになると、食生活の幅がグンと広がるはずです。

 

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<プロフィール>

 みほさんの画像

篠宮 美穂(しのみや みほ)

 ヴィーガンシェフ、ヴィーガン料理研究家、「METRIC BOHEMIA(メトリックボヘミア)」ディレクター。カフェを12年経営。渡米してヴィーガンカフェで働きながら、ヴィーガン料理、概念について学ぶ。現在は日本で、地球にやさしくユニークなプロジェクトを立ち上げ中。趣味は自家製酵母のパン作りと、ヴィーガニックコンポストの土づくり。

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