日本の暦と旬の野菜-夏
2024年の小暑は、7月6日に迎えます。梅雨明けをしたら、一気に快晴が広がり、夏を実感する気候となるでしょう。小暑の「暑」は「炎熱」という意味があり、これから炎熱に向かうことを指します。
茶室では、夏のお茶碗が登場する季節です。「平茶碗(ひらちゃわん)」という、熱が放散しやすい、口の大きく底の浅い茶碗を使用します。
これは、客人が抹茶をいただくときに、熱すぎないようにという心遣いによるもの。見た目も涼やかで、夏の風情を感じられます。
※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。
※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。
※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。
7月7日、七夕(たなばた)を迎える
小暑前後の7月7日には、五節句の一つである七夕を迎えます。
「ささのはさらさら・・・」から始まる童謡でも有名な行事ですが、そもそも、どのような行事なのでしょうか。
元々は、七夕は「棚機」と書き、古いみそぎの行事であったといわれています。この棚機の日は、秋の収穫を祈ったり、人々のけがれを払う意味合いをもつものでした。
棚機とは、着物を織る、織り機の名前です。この棚機で、女性は神様に備える着物を織り、棚にお供えしました。
やがてこの行事は、お盆を迎える準備を兼ねて7月7日の夜に行われるようになります。このことから、現在の七夕の二文字で表現されるようになりました。
現在では、新暦の7月7日に七夕の行事を行う地域もあれば、8月7日の一月遅れで行う地域もあります。
行事食として挙げられるのは、天の川を模した「山科(やましな)なすそうめん」(京都府)や、平麺に砂糖やきなこをまぶした「やせうま」(大分県)など。ほかにも、地域によってさまざまです。
夏野菜の象徴・トマト
この時期、おすすめの旬の野菜はトマト。太陽のようなジューシーな果実は、夏野菜の象徴ですね。食べ頃は、6〜9月頃に迎えます。
<トマトの栄養>
トマトの成分で有名なのは、「リコピン 」です。このリコピンは、カロテノイドという天然の色素成分。強い抗酸化作用があり、細胞のサビとなる活性酵素の働きを抑えるので、肌の老化防止に役立ちます。
ところで、トマトを食べると肌が白くなる・・・なんていう話を聞いたことがありませんか?
日焼けの原因は、肌にメラニンが生成されることです。実は、メラニンの生成には活性酵素が関係しているため、トマトの抗酸化作用が活躍しますよ。
活性酵素は、紫外線を浴びることによって発生します。
これを抑えるために、日焼けのもととなるメラニンが増殖するのですが、リコピンは、抗酸化作用で活性酵素を除去してくれるのです。
結果としてメラニンの増殖を抑えられるため、日焼けしづらくなり、肌が白くなるといわれるようになりました。
日焼けが気になるシーズンですので、旬のトマトを取り入れて、美白を手に入れましょう。
<トマトの種類>
最近のスーパーでは、さまざまな品種のトマトを見かけますよね。このことからわかるように、トマトには豊富な品種が存在します。
主流の品種である「桃太郎」をはじめ、お弁当で馴染み深い小さなミニトマト、さらには見た目が緑色の「グリーンゼブラ」という名前のトマトもありますよ。グリーンゼブラは、名前の通りゼブラのような縞模様が入っています。
王道の品種から、変わり種まで、お好みのトマトを探しに冒険してみましょう。
トロピカルフルーツの代表・パイナップルが美味!
この時期、旬を迎える果物はパイナップル。7〜9月に旬を迎え、国産の原産地は、 沖縄です。トロピカルフルーツの代表ともいえる、鮮やかな黄色の果肉とジューシーさがたまりません。
パイナップルは、たんぱく質分解酵素であるブロメラインをふくみます。たんぱく質分解酵素は、その名の通りたんぱく質を分解する働きがあるので、肉をやわらかくするのに役立ちます。
生で食べるのはもちろん、酢豚に入れたり、ハンバーグにのせたりしてもおいしいですよ。
梅雨が明け、日増しに日差しが強くなるこの季節。夏バテ予防のためにも、積極的に旬の夏野菜を摂取して、力強い体をつくりたいですね。体調を整えたら、あとは思い切り夏を楽しみましょう。
WRITER
管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!
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