日本の暦と旬の野菜-秋
毎年9月23日頃に、秋分を迎えます。秋分には、昼と夜の長さがほとんど同じになることで知られていますね。2024年は9月22日となり、この日を境に、だんだんと日が沈むのが早くなります。夕焼けに染まる、黄金色の田や彼岸花が美しい季節です。
※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。
※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。
※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。
秋の七草は“目”で楽しむ
秋分の頃、秋の七草が時期を迎え、あちこちに姿を現します。
秋の七草とは、おみえなし、ききょう(写真)、なでしこ、くず、ふじばかま、すすき、はぎの7つの野草。質素さの中に、控えめな華やかさのあるこれらの野草は、茶花としてもよく使われます。
春の七草は食用にしますが、秋の七草は観賞に用いられるのが特徴です。野花のよさはその手軽さ。道端で見かけたら、ご自宅の花瓶にそっと生けて、秋を楽しみましょう。
旬の野菜・とうがらしには発汗作用が!
この時期、旬を迎える野菜は生とうがらし。とうがらしに特徴的な辛味成分は、「カプサイシン」というもの。
カプサイシンは、唾液の分泌を促進するので、食欲増進に効果があると知られています。残暑で食欲が落ちているときには、旬のとうがらしを活用するのもいいでしょう。
また、カプサイシンは発汗を促進し、代謝を上げる効果もあります。これは、体に入ったカプサイシンによって神経が刺激されると、エネルギー代謝を促すホルモンが出るためです。
このように、刺激的な成分でさまざまな効能が期待できるとうがらしですが、食べすぎると胃腸が荒れてしまうことも。ご自身の体調と相談しながら辛みを調整してください。
<おすすめのとうがらしの食べ方>
おすすめの使い方は、生のとうがらしをオイルにつけて炒め物に使ったり、肉や野菜と合わせてスパイシーソースにしたりすること! 新鮮なとうがらし特有の香味をしっかりと感じられるはずです。
お好みのとうがらしで、ぜひ試してみてくださいね。
< そのほかの旬の野菜>
この時期に旬を迎えるその他の野菜には、以下のような野菜があります。
- チンゲンサイ
- さつまいも
- えだまめ
- なす
- オクラ
なつかしい甘みの果物・かき
9月から11月頃には、秋の果物の代名詞、かきが旬を迎えます。
なつかしさを感じる、やさしい甘みが特徴ですよね。種類もさまざまで、代表的なものに静岡県産「次郎(じろう)」や、岐阜県産の「富有(ふゆう)」などがあります。品種によって肉質のかたさや、フルーティーさが違うので、いろいろな柿を試してみるのも楽しいですよ。
日が短くなり、だんだんと秋が深まる秋分。残暑が厳しい日もありますが、本格的な秋の訪れはもうすぐそこです。スパイスの野菜・生とうがらしで、ふだんとは違ったお料理を楽しんで、残暑を乗り切ってくださいね。
参考文献
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』(高橋書店)
農林水産省サイト:カプサイシン に関する詳細情報など
WRITER
管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!
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