野菜は買ってきたら新鮮なうちに……と分かってはいても、仕事が忙しかったり、献立にうまく使えなかったりで、いつの間にか野菜をダメにしてしまうこともありますよね。そんなフードロスを無くすためには、野菜を買ってきたらすぐに、冷凍保存をするのがおすすめです。そこで、定番野菜の冷凍保存のコツをご紹介します。
<野菜の冷凍保存の3つのキホン>
・下準備をして冷凍しておくことで、調理の時短につながる
・葉物類は茹でてしっかり水分を取ってから冷凍する
・きのこ類は冷凍することで、旨みがアップ!
定番の野菜は、使いやすい量やサイズにカットして冷凍!
トマトやきゅうり、たまねぎなど毎日のように使う定番野菜は、使いやすく切ったり茹でたりして冷凍しておくと便利。時間のある週末に冷凍しておけば、毎日の献立に使えて、調理の時短にもなります。
<トマト・ミニトマト>
皮つきのままざく切りにして、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。なるべく重ならないように入れておくと、使う分だけを取り出しやすくなりますよ。丸ごと冷凍する場合は、ヘタを包丁で取り除き、1個ずつラップで包んで冷凍用保存袋へ。湯むきしてから冷凍するのもおすすめです。丸ごと冷凍すると、凍ったまますりおろすことができ、トマトソースなどにも利用できて便利です。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:流水解凍、凍ったまま調理
<きゅうり>
きゅうりはそのまま冷凍するのはNG。薄くスライスして塩もみすれば冷凍できるようになります。薄切りにして塩を振り、しんなりしたら軽く揉んで、洗って水気を絞ります。それを冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。きゅうりをまとめ買いしたときなど、新鮮なうちに冷凍しておくのがおすすめです。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍
<たまねぎ>
たまねぎは、実は冷凍保存しておくと時短につながる野菜のひとつ。生のまま冷凍すると、細胞膜が壊れるため、解凍後に炒め時間が短くて済みます。薄切りにして、使いやすい分量に分けて冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。みじん切りにしてきつね色になるまで炒めてから、冷凍用保存袋に入れて冷凍するのもOK。これを使えば、ハンバーグやオニオングラタンスープなどで便利に使えます。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、電子レンジで解凍、凍ったまま調理
<なす>
乱切りや輪切りなど、使いやすいサイズにカットして、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。このとき、重ならないように平らにして冷凍します。もしくは、輪切りにしたものを素揚げにして油をきり、それを冷凍しておくのもOKです。
【冷凍保存できる日数】3〜4週間
解凍方法:凍ったまま調理
<ピーマン・パプリカ>
洗ってヘタと種を取り除き、1.5cm幅ぐらいにカット。水気をしっかり切って、重ならないように冷凍用保存袋に入れて冷凍します。水分が出てしまうと食感が損なわれるので、凍ったままか、半解凍のうちに調理するのがポイントです。
【冷凍保存できる日数】3〜4週間
解凍方法:凍ったまま調理
<アスパラガス>
切り口を2〜3mmカットし、皮をピーラーでむきます。使いやすい本数をまとめてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。または、1分半ほど茹でて粗熱をとり、冷凍してもOKです。
【冷凍保存できる日数】3週間
解凍方法:凍ったまま調理
<ねぎ>
ねぎは薬味など、少量ずつ使うことが多いので、冷凍しておくと大活躍。小口切りやみじん切りなど、用途に合わせてカットして、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。万能ねぎの場合も、みじん切りにして冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。
【冷凍保存できる日数】3〜4週間
解凍方法:凍ったまま調理
<にんにく・しょうが>
にんにくやしょうがは一気に使いきれないので、購入後はすぐに冷凍してしまいましょう。にんにくは1片を丸ごと冷凍してもいいですが、みじん切りや薄切りなどで冷凍しておくのも便利です。しょうがも同じく、千切りやみじん切りなどにカット。使いやすい分量をラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れましょう。
【冷凍保存できる日数】3〜4週間
解凍方法:凍ったまま調理
葉物野菜は茹でて冷凍することで、食感をキープ!
葉物野菜は茹でてから冷凍すると、その野菜らしい食感をキープできます。ちょこっと使いをするようなら、使いやすい分量で小分けにして冷凍するのがおすすめです。
<青菜類>
ほうれんそうやこまつななどの青菜類は、茹でで水気をしっかり絞り、ざく切りにして使いやすい分量で分けてラップに包みます。それを冷凍保存袋に入れて冷凍しておきましょう。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、電子レンジで解凍
<キャベツ>
キャベツは1玉で買うことも多く、全部を使いきれずに余らせてしまうことも多いですよね。その場合は、生のままでも冷凍しておくことができます。使いやすいサイズにカットして、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。もしくは、塩もみしたり、茹でてから冷凍すると、カサが減るので冷凍しやすいでしょう。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、流水解凍
<ブロッコリー・カリフラワー>
生のままの冷凍はNG。小房に分けて固めに茹でて、しっかり水気をとります。それを冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。この時、袋の中で重ならないように平らに冷凍するのがベストです。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、電子レンジで解凍、凍ったまま調理
<しそ>
重ねた束のまま冷凍するのはNGです。使いやすい枚数ずつをラップで包みますが、その時、しそとラップが交互に重なるようにします。これを、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。
【冷凍保存できる日数】1〜2週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、凍ったまま調理
<パセリ>
パセリは少量ずつ使うことが多いので、冷凍保存しておくと何かと重宝します。みじん切りにして、冷凍用保存袋や保存容器に入れて冷凍庫に入れておきます。スープやオムライスの仕上げに便利です。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:凍ったまま調理
芋類は下準備をして冷凍すれば、調理のしやすさもアップ!
芋類はカットや下準備に少々手間のかかる食材。洗ったり、皮をむいたり、カットするだけでもそれなりに時間がかかります。そこで、できるだけ時間のあるときに下準備をして冷凍しておけば、調理時にさっと使うことができます。
<じゃがいも>
棒状にカットして、水にさらしてから水気をしっかり取ります。それを重ならないように冷凍用保存袋に入れて、冷凍庫へ。フライや煮物などを作る際には時短になります。また、茹でてつぶしておき、冷めたら冷凍用保存袋に入れ、薄く平らにして冷凍します。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:凍ったまま調理 マッシュにした場合は、冷蔵庫で自然解凍か電子レンジで解凍
<かぼちゃ>
生のまま冷凍する場合は、小さくカットして冷凍用保存袋に。煮物など食べやすい大きさで冷凍したい場合は、一度火を通してから冷凍するのがおすすめです。ワタと種を取り除き、使いやすいサイズにカットして、耐熱皿に並べてラップをかけて電子レンジで加熱。冷めたら冷凍用保存袋に入れて冷凍します。もしくは、加熱後にマッシュして冷凍してもOK。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、凍ったまま調理
<さといも>
生の場合は輪切りにして水で洗い、ぬめりを取って水気を取ります。それを冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。重ならないように入れて、薄く平らにして保存します。茹でてから同じように冷凍保存してもOKです。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、電子レンジで解凍、凍ったママ調理
<ながいも・やまいも>
ながいも・やまいもは、ぬめりがあって下準備も大変です。使う分だけその都度行うよりは、一度にまとめて切っておくと、調理時がとても楽になります。また、あらかじめすりおろして冷凍しておいてもいいでしょう。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:棒状の場合…冷蔵庫で自然解凍、電子レンジで解凍、凍ったまま調理/すりおろしの場合…冷蔵庫で自然解凍、流水解凍
<ごぼう・れんこん>
食感が変わってしまうので、生のままの冷凍はNG。ささがきや細切り、薄切りにして茹でて湯を切り、冷めたら冷凍用保存袋に入れて冷凍します。この時、袋をできるだけ薄く平らにしましょう。ちなみに、きんぴらに調理してから冷凍すると、お弁当などに便利です。
【冷凍保存できる日数】2〜3週間
解凍方法:茹でる場合…冷蔵庫で自然解凍、凍ったまま調理/きんぴらの場合…冷蔵庫で自然解凍、電子レンジで解凍
きのこ類は冷凍保存をして旨みアップ!
きのこは冷凍すると旨みがアップして、さらに味が染み込みやすくなります。しいたけやエリンギなどは薄くスライスして、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。このとき、薄く平らにして冷凍することで、短時間で冷凍することができます。
<きのこ類>
石づきを除いて、使いやすい長さに切ったり、小房に分けます。それを冷凍用保存袋に入れて、できるだけ平らにして冷凍します。しめじやしいたけ、エリンギなど数種類をミックスして冷凍しておくと、1種類だけよりも旨みがアップ!お味噌汁やうどん、スープなどで、ちょこっと使いをするのにも便利です。
【冷凍保存できる日数】3〜4週間
解凍方法:凍ったまま調理
<なめこ>
なめこは、袋のまま冷凍用保存袋に入れて冷凍するだけと簡単。解凍後は、しっかり水洗いして使うようにしましょう。生のなめこはあまり日持ちがしないので、すぐに使わない場合は冷凍してしまえば安心です。
【冷凍保存できる日数】3〜4週間
解凍方法:冷蔵庫で自然解凍、流水解凍
冷凍保存は、野菜の保存期間を長くするだけが目的ではありません。野菜をカットしたり茹でてから冷凍することで、調理の際の下準備が省けたり、炒めたり茹でたりする時間を短縮することもできるのです。さらに、きのこなどは冷凍することで、より旨みを感じられるなどのうれしいメリットも。ぜひ、冷凍保存を上手に活用して、フードロスをなるべく減らしながら、野菜をもっと手軽に調理をしましょう。
参考文献:牧野直子著『冷凍保存のきほん』(主婦の友社)/『もっとからだに美味しい 野菜の便利帳』(高橋書店)
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2021.06.21 【野菜保存のキホン③】 時短や、調理しやすくなるメリットも。知っておきたい、野菜の冷凍保存のコツ |
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2021.06.10 【野菜保存のキホン②】 一番おいしいタイミングで食べよう!鮮度をキープしたり、上手に追熟させる果物保存のコツ |
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2021.05.25 【野菜保存のキホン①】野菜室?それとも室内がベスト? なるべく鮮度をキープするための、野菜保存のコツ |
WRITER
フリーランスの編集ライター。食・子育て・住宅・インテリア・植物・ガジェットなど多岐にわたるジャンルで、ムックや雑誌、フリーペーパー、WEBコンテンツなどで執筆。高校生と中学生の2人の娘をもつ母であり、子どもたちの野菜嫌いを克服させるべく、献立に頭を悩ませる日々。野菜不足になりがちなので、毎日の食卓には手作りのピクルスを添えるよう心がけている。
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