日本の暦と旬の野菜-秋
暑い季節の終盤、2024年の8月22日には処暑(しょしょ)を迎えます。処暑は、「暑さが和らぐ」という意味。少しずつ残暑が和らぎ、涼しくなり始める季節です。
※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。
※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。
※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。
風を鎮める行事「風祭り」とは?
処暑の時期は、実は嵐が多い時期でもあります。茜色の夕日が美しい季節ですが、それは嵐の前兆といわれことも。このような嵐を恐れ、秋の収穫前の大風を鎮(しず)めるために、一部の地域では秋の豊作を祈る「風祭り(かざまつり)」という行事が行われました。
村人が神社に籠って精進したり、草を刈る鎌を高く掲げ、通る風を鎌で切ったり、その内容は地域によってもさまざまです。また、風を祀(まつ)ることで有名な奈良県の龍田(たつた)大社、伊勢の風の宮などをお参りする風習があります。
風祭りが行われるのは、風による被害が増えるとされる八朔(はっさく)の時期や、二百十日前後(※)。全国的に身近な習わしではないですが、機会があれば地方の年中行事を覗いてみるのも興味深いですね。
※八朔・・・八月八朔の略で、旧暦の8月1日を指す。現代では、8月下旬から9月頃にあたる。
※二百十日・・・立春を起源として、210日目を指し、9月1日頃にあたる。
旬の野菜・えだまめと大豆は、同じ種子でも栄養が違う
この時期、7月から9月にかけて旬を迎える野菜、えだまめ。旬の茹でたてのえだまめは、甘みがあり、おやつにもおつまみにも重宝します。
えだまめと大豆は、収穫時期が異なるだけで、実は同じ種子からできる野菜。未成熟の緑色の状態で収穫されたものがえだまめです。対して、大豆は成熟したのち、茶色く乾燥した状態になったもの。
身近な食材として、口にする機会が多いのは大豆ですが、実はえだまめの栄養素には、大豆より多く含まれているものもあります。それは、ビタミンC。大豆はほとんどビタミンCを含みませんが、えだまめには100gあたり27mgのビタミンCを含みます。また、えだまめは、大豆と比較して脂質が69%も少ないのも特徴の一つです。
大豆よりやわらかく、低脂質であっさりと食べられるえだまめは、気温が高い時期にぴったりの豆ですね。
枝豆のきれいな茹で方
えだまめは、適切な茹で方をすることでおいしさがぐんと際立ちます。コツをいくつかご紹介します。新鮮なえだまめを手に入れたときは、ぜひ試してみてくださいね。
・さやの端をカットし、塩味が染みやすくする。
・茹でる前に塩揉みをする。
・沸騰したお湯で4分程度茹で、冷ます。
そのほかの旬の野菜
- レタス
- 空芯菜(くうしんさい)
- トマト
- きゅうり
ビタミンCの王様・アセロラ
5月から10月に旬を迎える果物、アセロラ。生で食べるより、ジュースなどで召し上がる機会が多いかもしれませんね。さくらんぼのような可愛らしい見た目で、酸味の強さと特有の甘酸っぱい香りが特徴です。
実はこのアセロラは、果物の中でも群を抜いたビタミンCの含有量が特徴です。その量は、レモンの約8倍以上、りんごの約133倍!
もし運よく生の果実を店頭でみかけたら、手にとって見てくださいね。
少しずつ暑さが和らぐ、処暑。本格的な秋はすぐそこです。
あと少しの夏の旬を堪能してはいかがでしょうか。
WRITER
管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!
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