Mayamoon まちなかで自然くらし vol.2

WRITER/Mayamoon

春風とイチゴ

いつか田舎暮らしがしたい。二拠点生活ができたら畑を始めたい。自分で収穫したもので食事が作れたら。そんな淡い、理想の暮らし。

関東エリアでマンション住まいのMayamoonさんの生活を覗いてみると、生活を大きく変えなくとも、心地よさとつながれる。自然がそばにある。暮らしが、カラフルになる。

絵描きで詩人のMayamoon さんの連載「Mayamoon まちなかで自然暮らし」は、そう予感させてくれます。

コートのポケットに入っていた冬の名残が忘れ去られ、ひっそり息を潜めていた植物が動き始める。

庭ではチューリップが咲いている。
球根を植える時点で確認せずにランダムに植えているので、どんな色の花が咲くのか分からないのが楽しい。

 

mayamoonさんの自宅の庭

 

藤のカゴや木の箱に寄せ植えしている花たちも太陽の光を求めて一斉に咲きはじめる。
冬の間楽しませてもらったビオラは間延びしていてそろそろ片付けないと。


今年もイチゴが実をつけて、毎朝少しずつ収穫している。
カバーをかけていないので虫や鳥に食べられてしまうことも多々ある。
でも他の生き物と庭の実りを分け合っている感覚が私には嬉しい。
みんな春が来たのを喜んでいる。
頬を撫でる春風が冬の間凝り固まった体と思考を溶かしていく。


今日はじゃがいもの植え付け。
紫色のシャドークイーンとピンク色のアンデスレッドを植える。
畑ではなるべく普段買えないような品種を育てるようにしている。

 

シャドークイーンとアンデスレッドというじゃがいも
 

市民農園でこんなに珍しい品種を植えている人はいないので、まわりのおじさんたちは興味津々。
採れたものをお裾分けすると大喜びされる。
お返しに私は彼らが収穫した野菜をたくさんもらう。
物々交換でもらっているのは食べ物だけではなくて、心を満たしてくれる何か別の物のような気がする。


去年採れたじゃがいもでポテトチップスを作る。
スライサーで薄切りにしていく。
じゃがいもが小さくなるにつれ指までスライスしないように細心の注意を払う。
素揚げして熱々のポテトチップスにドライにした庭のハーブと塩で作った自家製のハーブ塩をかける。

春の訪れとともに畑や庭では生命が息づく。
その自然の恵みを五感で味わう日々が続いていく。

 

Mayamoon まちなかで自然くらし vol.1「静かな豊かさのなかで」はこちら >

 

 Mayamooon

Mayamoon

絵描き、詩人。無農薬無肥料で野菜やハーブを育てる。自費出版のZINEや、アート作品を手がけるだけでなく、オンラインコミュニティや哲学対話を主宰するなど、幅広く活動。新しく芽生えた夢は、『赤毛のアン』の故郷、プリンス・エドワード島に行くこと。

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絵描き、詩人。無農薬無肥料で野菜やハーブを育てる。自費出版のZINEや、アート作品を手がけるだけでなく、オンラインコミュニティや哲学対話を主宰するなど、幅広く活動。新しく芽生えた夢は、『赤毛のアン』の故郷、プリンス・エドワード島に行くこと。

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