日本の暦と旬の野菜-冬
2023年は12月7日に大雪(たいせつ)を迎えます。
大雪の名の通り、地域によっては多くの雪が降り積もる時期です。茶道の世界では、茶室の窓から、薄く氷のはった獅子威(ししおどし)が見られ、外気がとても冷え込んでいることを実感させられます。
※二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、そこからさらに6つに分けた、約15日間の季節を表す言葉。現在は最初の日だけを指すことが一般的ですが、本来はこの15日間を表します。
※日本の暦は、旧暦(太陰太陽暦の暦法「天保暦(てんぽうれき)」)から、1872年にグレゴリオ暦(太陽暦)が採用され、新暦と呼ばれます。特別な表記がない場合を除き、日付は新暦です。
※二十四節気の日付は毎年異なり、1日程度前後します。
正月の買い出しをする歳の市
気が早いようですが、新年と聞いて思い浮かべるものといえば……?
飾りには門松やしめ縄、遊びには羽子板(はごいた)やたこ、食事はおせちなど、正月特有のものはさまざまにありますね。このような正月に欠かせないものを取り揃える市場を、「歳の市(としのいち)」といいます。
最近ではスーパーなどでも歳の市と銘打ってセールが行われますが、もともとは寺社で行われていた定期市の、特に年末に行われるものを指しました。
有名なものでは、浅草の羽子板市、鎌倉の長谷寺の市場などがあります。多くの人で賑わう、活気あふれる風景は、年明けがすぐそこに迫っているのを実感させます。
旬のほうれんそうは栄養価がアップ!
この時期、旬を迎える野菜はほうれんそうです。ほうれんそうは、冬真っ只中の12月と1月に旬を迎えます。
ところで、ほうれんそうの栄養価は、夏と冬で大きく異なることをご存知でしょうか。実は、冬のほうれんそうは、夏のほうれんそうと比べてビタミンCが3倍も含まれているのです。
また、ほうれんそうは鉄分をふくむ野菜で有名ですが、植物由来の鉄分の吸収を高めるためには、ビタミンCと一緒に摂取するといいことがわかっています。そのため、冬のほうれんそうは栄養価的に鉄分の吸収効率もいいと考えられます。
旬のほうれんそうはやわらかいので、サラダで食べるのもおすすめです。根本の赤い部分は甘味が強いので、ぜひ捨てずに食べてくださいね。
<ほうれんそうを日持ちさせる方法>
葉物野菜であるほうれんそうは、デリケートな野菜。
保存方法のポイントを押さえて、かしこく使いきりましょう。
ここでは、日もちさせるためのポイントを3つご紹介します。
・葉先を湿らせた新聞紙で包む
・新聞紙ごとビニール袋に入れ、野菜室で保存する
・葉をたてて保存する
旬の果物・とろける食感の洋なし
10月から12月にかけて、洋なしが旬を迎えます。
洋なしといえば、甘くとろっとした食感で、リッチな味わいの果物ですよね。一般的に出回っているのは、みなさんご存知の「ラ・フランス」という品種。フランス原産で、濃厚な味わいが特徴です。日本では、山形、長野、青森などで収穫されます。
かたい場合は、追熟が必要です。その際は常温で保管し、食べ頃でむきましょう。
雪が積もるほどの寒さの中、年内最後の仕事に追われる時期。旬の食材で、おいしく体力をつけて乗り切りましょう!
WRITER
管理栄養士。栄養・レシピ・ヴィーガンなど、食に関する記事をWEBコンテンツで執筆。その他、カフェのメニュー開発、料理動画制作などをして活動。これまでは給食提供のほか、離乳食指導や食育指導に従事。幼少期から茶道を習っており、日本文化が好き。こども食堂を開くのが夢!
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